欠陥住宅が生まれる仕組み

どうして欠陥住宅が出来るのか?

 どうして欠陥住宅が出来るのか?その原因としては次のようなことがあげられます。消費者は住宅の内装や外装といった見た目ばかり重視しがちで,基礎や構造、工法など見えない箇所はあまり考慮していません。また,高額な住宅購入にも関わらず,安易に契約を交わしてしまいます。施主の建築知識も低いため,設計・施工も業者任せになりがちです。その中でも,施主の「安ければ安いほどいい」という品質に関係ない価格重視の意識が最大の理由と言えます。

 一般的な例をあげて説明します。施主は第一に工事費用を最優先に業者を選択します。何社か見積をとり、工事費用が最も安いと考えられる建設業者に発注します。不況の中、仕事欲しさに無理な予算でプランを立て、受注した建設業者は,予算にあうような下請け業者を探します。低価格化が進み、仕事を請けた下請けの工務店は,さらに不合理な予算で各専門業者に発注することになります。さらに孫請け業者へ。こうした下請け形態による悪循環によって,各業者は利益追求のために,質の悪い材料を用いたり,手抜きをして手間を浮かすといった作業を繰り返します。明らかに目に見える欠陥であれば,施主も黙ってはいませんが,出来上がった住宅の外観から欠陥個所を見出すことは非常に困難です。こうした業者間の下請け形態が欠陥住宅を生み出しているともいえます。

 以前の住宅建築の場合,請負契約が大半で,施主と顔見知りの大工が精魂込めて家を建てていました。手抜きを行えば,その町で仕事が出来なくなってしまいます。近所つき合いが少なくなってきた今日では,全く面識のない業者に施工を依頼したり,誰が建てたか分からない住宅であっても購入してしまいます。「仕事の出来」や「経験の豊富さ」,「技術力」といったことで業者を選ばずに,見た目や金額だけを重視する風潮があります。自動車や電化製品を購入する場合はどうでしょう?メーカー名や機能、価格を比較して購入するはずです。自動車の場合,車種や装備が全く同じであれば価格の最も安い販売店で購入すればよいでしょう。しかし,住宅の場合は業者によって品質も価格も全く同じものはひとつとありません。住宅には「安ければいい」という意識は見当違いなのです。

<<前へ

1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7

次へ>>