欠陥住宅対応策

「欠陥住宅を買わない・建てさせないためにはどうすればよいか!」

今、住宅が危ない!室内環境汚染と手抜き工事の実態 建売住宅工事現場 建売住宅工事現場

毎月の高いローンを組んで購入したマイホーム。そのマイホームに欠陥住宅の可能性が・・・!という結果にならないように,購入に至るまでの重要ポイントを[建売住宅]と[注文建築]との場合に分けて説明します。ここでは,一般的な木造軸組構法について説明します。
※自分の家だからといっても,むやみ現場に立ち入ったり,足場にのる行為は大変危険なので,必ず工事責任者の許可を得てから現場に立ち入るよう注意して下さい。

【建売住宅・マンションを購入する場合】

1.業者選定

まずは販売業者をチェック。販売業者にはハウスメーカー,不動産業者,商事会社,工務店など様々ですが,完成住宅を購入する場合の契約は,通常は「売買契約」。そのため,〇〇工務店であっても,不動産業も営んでいる建設業者になります。大半の販売業者は不動産業を専門とする業者が多く,建築施工は下請けの建設会社や工務店が行っています。購入時には不動産業の販売経歴をチェック。目安として宅建業の免許の番号を確認する。国土交通大臣または〇〇知事(1)第1250号と明記されていて、( )の数字は免許の更新回数を示しています。免許の更新は5年に一度のため,この数字が大きいほど営業年数が長いということになります。もっと詳しく調べたい場合は,各都道府県の建築指導課などに備え付けられている業者名簿を閲覧し,過去5年間の取引内容や行政処分などを調べることは可能。出来れば施工会社についての情報も入手しておきましょう。他に手掛けた物件を訪ねて,住人に住み心地を聞いて見るのも良いでしょう。

2.敷地調査

住宅が建てられる以前は,どのような用途に使用されていた土地なのか。住み慣れた土地であれば事情も分かりますが,そうでない場合には近隣住人や販売業者に詳しく聞いてみるとよいでしょう。以前から宅地であった場合には問題ありませんが,畑や沼,水田だったという場合は,やはりきちんとした地盤調査結果が必要です。販売業者が地盤調査を行ったかどうかを確認し,調査結果を見せてもらい説明を聞く必要があります。調査結果によっては地盤改良工事が必要です。

3.設計図面と検査済証

確認申請時の設計図書一式(立面図・平面図・断面図・仕様書・構造計算書など)を見せてもらい,現状の建物と一致しているかを確認。図面では一階の部屋が洋室となっているのに,実際にはガレージであったり,物置が子供部屋であったりすることがあります。建売住宅の場合、こうした虚偽申請も多いため。仕様書通りの材料がきちんと使われているかを調べます。それと中間検査及び完了検査済証があるかどうか。検査済証とは,確認申請図面の通りに施工が行われたかどうか行政の検査を受けたという証明書。平成12年以降の中間検査の導入後の実施率は高く100%ですが,完了検査にいたっては約半数程度の実施率にとどまっています。引き渡しの際にきちんとした設計図書や検査済証を買主に渡さないケースが多いので,提出してもらいましょう。現実には,簡単な間取り図と売買契約書だけで引き渡しを済ませています。後々のトラブル防止のためにも、注意して確認しておこう。

4.目視検査

立会いでは,基礎・壁の亀裂。建具の開閉に不具合はないか。内装材に傷はないか。床鳴りや階段のきしみはないか。床下や天井裏が見られるのであれば,不備がないか確認しておきましょう。キズや不具合など瑕疵について1年保証。隠れた瑕疵については2年保証が法で定められています。現在では構造部や雨漏りにおいては,10年保証が義務付けられているので,業者は言い逃れできません。

5.契約

契約は焦らずゆっくりと。販売業者はすぐに契約をさせようと手付け金を要求したりするので、慎重に契約は行うことが基本。契約の形態は売買契約ですが,注文住宅の場合は請負契約もあります。契約書にサインするまでに、契約書内容をしっかりと確認し、設計図面や工事仕様書,工事検査済証,中間検査合格証,保証内容などもしっかりチェック。このような書類の提出の要求に応じない業者の物件は敬遠した方が無難である。

【注文建築・建替工事を依頼する場合】

1.業者選定

工務店,建築事務所,住宅メーカーなど選択肢は多いですが,一級建築士事務所にまず相談し,しっかりした工務店・建設会社を紹介してもらうと良いでしょう。また、地元工務店に相談したり,住宅展示場や住宅関連誌を参考にする方法も。過去の施工事例を見せてもらい、住人の意見を聞ければさらに良い。健康住宅への配慮、瑕疵担保保証はどうなっているかなども聞いておく。後々のトラブルを防ぐため、しっかりとした業者を選択しましょう。

2.地盤調査(地耐力調査)

欠陥トラブルが発生した場合には、基礎や地盤に問題があるケースが非常に多いので,敷地周辺で不同沈下の被害が発生していないか調べましょう。自宅敷地の地盤は一体どうなっているのか気になる方は地盤調査がお薦め。10年保証を行う地盤調査業者もあります。仮に業者が「地盤調査を行ったので大丈夫です」と言っていても,安心せずに必ず調査結果を確認しておきましょう。

3.設計図面と見積もり

間取りや設備機器,詳細仕様は業者に任せがちですが,希望があれば最初にはっきりと述べておくこと。細部についてもショールームやカタログで入念な打ち合わせを行い,色やデザインを決めましょう。後々の設計変更は工事進行の妨げにもなるうえ,トラブル発生の原因にもなりかねません。見積り段階での設計変更は納得いくまで何度でも行いましょう。それに応じない業者はダメ。見積金額と設計図面が納得いくものか十分に検討してから発注するように。

4.契約

最も重要な契約。注文建築の場合,通常「工事請負契約」となる。契約書にサインする前に,「工事請負契約書」「工事請負契約約款」「設計図書」「仕様書」「工事工程表」「保証規定」など一通りの書類と図面が揃っているかを確認。工事費用の支払いや引き渡し時期などもしっかり明記されているかをチェックする。口約束だけではトラブルの元である。書面で交わすよう心がけましょう。

5.基礎工事

基礎工事・土台施工例基礎形状をチェック。布基礎,ベタ基礎か。基礎の幅や立ち上がりがしっかり確保されているか。土台と基礎とを緊結するアンカーボルトが3m未満でしっかりと基礎に挿入しているか。換気口の数と位置。亀裂が発生していないかなどを確認。工事途中に現場に足を運び,写真を撮っておくと後々便利です。

6.躯体工事

通し柱の確認を!主要構造部の断面形状や寸法が仕様規定通りに施工されているか。壁量は満足か。筋交いは十分に,かつ均等に配置されているか。土台と基礎,はりと柱,筋交いなど接合金物によってしっかり緊結されているか。また,ボルト等のゆるみはないかなどをチェックする。もし,疑問な箇所があれば,工事監理者または工事責任者に文書によって意見を提出し,回答をもらい,必要に応じて改善してもらう。こうした一連のチェックが出来ない方は,第三者に見てもらう方法もあります。

7.中間検査と完了検査

建築基準法改正によって特定行政庁の指定を受けた建築物は,施工中においての中間検査が義務づけられています。「特定工程」と呼ばれる工事過程を終了した際に,中間検査を行い,「中間検査合格証」を交付されないと,工事が進行できないというものであす。同様に,工事完了時にも完了検査を受け,「検査済証」の交付を受けなければ,入居してはならないということが原則。これが中間検査と完了検査であす。その後,窓や建具の調整や鍵のかかり具合や内外装の床の損傷など,施主による竣工検査を行い入居に至ります。

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