欠陥住宅訴訟に関する判例報告

以下の判決文は、いずれも欠陥住宅関西ネット事務局収集判例より抜粋したものである。
欠陥住宅関西ネットの会員は、これらの判決及び訴状を、いつでも閲覧・コピーをすることが可能です。
詳しくは欠陥住宅関西ネット事務局までお問い合わせください。

大阪地裁平成10年7月29日判決
軟弱地盤の上に建てられた木造二階建ての建物について、コンクリート擁壁の瑕疵及び基礎・軸組構造の欠落があるとして、建築業者のみならず、建物販売業者、設計工事監理建築士に対しても、連帯して六千万円余りの損害賠償を命じた判決。

福岡地裁平成11年3月30日判決
原告の土地上の木造二階建て建築請負契約において、被告の設計ミスなどにより、安全性に問題のある建物が建築されたことを理由に、土地所有権に基づき建築途中の構築物の収去と賃料相当の損害金の支払いと、また設計ミスなどが主位的に不法行為、予備的に債務不履行であるとして損害賠償請求した事案。建築基準法違反の瑕疵を認めた上、被告に対し、土地からの構築物収去・土地明け渡しと不法行為に基づく損害賠償の支払いを命じた判決。

神戸地裁平成11年6月30日判決
購入した建物に構造上の瑕疵があったとして、売主・建築士・仲介業者に対し、瑕疵担保責任または不法行為責任に基づき、損害賠償請求した事案。売主に対しては、瑕疵担保責任に基づく解除・原状回復義務として金銭支払い義務を認めたが、建築士に対しては工事監理請負契約を結んでおらず、暫定的に建築確認申請に自己の名前を記載したに過ぎないとして、責任を否定した。また、仲介業者に対しても事実をしって仲介したと認めるに足りる証拠はないとして、責任を認めなかった。

大阪高裁平成11年6月30日判決
木造4階建て土地付建物売買契約において、準防火地域であるのに耐火構造ではなく、また、構造耐力上の欠陥があるとして、売主に対し、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求を、仲介業者に対し、説明義務違反に基づく債務不履行による損害賠償請求をした事案。売主と共に、仲介業者に対しても、本件建物が建築基準法に違反する建物である事を知っていたものと推認されることから、信義則上、その事実を告知する義務があったとして、損害賠償責任を認めた判決。

大阪高裁平成13年11月7日判決
平成9年6月に大阪府堺市内の木造3階建て土地付建物を、約3194万円で購入し、同10月に引渡を受け居住。その後、強風が吹くと揺れる等の欠陥現象が見られた。平成11年に堺市からの調査で、建築基準法を満たしていないとの指摘を受け調査した結果、至るところに欠陥箇所が見られた。販売業者に相談したが、対応してもらえず平成11年10月6日に大阪地裁に提訴。1審判決で原告の主張する瑕疵が認められ、販売業者に3974万円の支払いを命じたが、建築士と施工業者の不法行為責任は認められなかった。大阪高裁では施工業者並びに名義貸し建築士の不法行為責任を認める判決を下した。

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